「約10万人の日本人を追跡したデータから明らかになる不眠症で睡眠薬を服用している人たちの死亡リスク」を読んで
https://www.saga-u.ac.jp/koho/press/2022101327942 佐賀大学プレスリリース 約10万人の日本人を追跡したデータから明らかになる不眠症で睡眠薬を服用している人たちの死亡リスク | 佐賀大学広報室 プレスリリースを受けた記事 睡眠薬を 週1回以上定期的に服用していると死亡リスクが高まる、佐賀大が確認(2022年10月14日)|BIGLOBEニュース 不眠症への睡眠薬で死亡リスク1.3倍に|最新医療ニュース|時事メディカル|時事通 信の医療ニュースサイト プレスリリースを読んで言いたいこと 言いたいことの要点 ベンゾジアゼピン系、非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬、抗不安薬について、4週間以上の連用は以下の理由でおすすめしません。 即効性があるので有用に感じるが、根本的な解決にならない 身体依存が生じる可能性が高い(薬の影響で体内の調節機能が弱り、薬に頼り切りになる) 精神的依存が生じる可能性が高い(身体依存の結果、薬を渇望するようになる) 上記依存状態からの回復がかなり難しい 通院コスト(時間、お金)がかさむ 薬では、具体的な問題は解決しない そもそもの病状か、薬の有害作用かの区別が難しい 有害作用を抑えるための別の薬が出されて混乱したまま薬漬けになる場合もある 最初から薬を飲まないほうが楽だったと思う可能性あり 解説 オレキシン受容体拮抗薬が日本で始めて発売されたのが、2014年11月でした。 製品名 発売時期 ベルソムラ 2014年11月 デエビゴ 2020年7月 今回の調査は2004年から2014年のデータを元にしています。つまり、睡眠薬といえばGABA-A受容体作動薬(ベンゾジアゼピン系、チエノジアゼピン系、非ベンゾジアゼピン系)が主に使われていた時期です。 GABA-A受容体作動薬の問題点は連用によって主に脳にあるGABA-A受容体にダメージを与えてしまい、その回復にはその薬を止めるしかなくなりますが、薬を止めると強い不眠症や不安症になり、更に薬を求める悪循環になることです。GABA-A受容体は興奮と抑制の調節弁の役割をしており、ダメージを受けると、極端に興奮(不眠につながる)、又は抑制(抑うつにつながる)状態になり、日常生活を安定して過ごせなくなります