バッファローのWi-Fiルーター「WSR-1800AX4B」が勝手に再起動する話

https://www.buffalo.jp/product/detail/wsr-1800ax4b-bk.html


結論

 WSR-1800AXB(親機)が特定条件が揃った特定の子機によってWPA3接続すると、親機が勝手に再起動することは事実です。子機のドライバーが良くないようですが、そのような子機によって再起動させられるのを防ぐのは親機側が解決すべき問題だと私は思います。WPA3接続をやめてWPA2接続することにより、全く問題が起きなくなりました。本件の問題以外は概ね良い製品だと思います。

Wi-Fiルーターが勝手に再起動

 2022年10月初旬にバッファローのWi-Fiルーター「WSR-1800AX4B」を購入しました。インターネットの速度が最大約50Mbpsから約200Mbpsへ上がり喜んでいました。

 しかし勝手に再起動する問題が発生して困っています。再起動したかどうかはログで分かります。2日連続で1日に2回再起動したこともありました。再起動まで約1分30秒かかり、その間は接続できません。

2022/01/01 00:00:04 BOOT WSR-1800AX4B boot up successfully!!
ログより引用

 再起動するとログがリセットされてしまい、何が原因で再起動したか追跡できません。ハードウェアかソフトウェアの不具合です。

サポートに助けを求めた

 バッファローからチャットサポートを受けました。いくつか指示されました。

  • 本体のスイッチをAUTOからMANUALへ切り替えて、もうひとつのスイッチをROUTERにせよ。→問題再発
  • 「@スタート」でインターネット接続設定を自動で行うのを止めて、プロバイダーに合わせて手動で設定せよ。→問題再発
  • スケジュール機能を無効にせよ。→問題再発
  • 電源を壁コンセントから供給せよ。→既に壁コンセント
  • クロスパス接続を止めて、PPPoEで接続せよ。→インターネットの速度が低下するので実施保留
  • 本体を初期化して、手動で再設定せよ。→問題再発
  • 問題切り分けの為、製品交換した。→問題再発
  • バッファロー社内で対応策検討中→暫く待ってほしいとのこと
  • NEW(バ)特定端末がWPA3接続すると勝手に再起動する事例が数例ある。調査の継続を希望するなら私のPCを貸してくれ。→(私)貸出はできない。市場から調達するか、私のPCを買い取るか選んでくれ。→(バ)これ以上の調査は難しい。返品・返金対応をしたい→(私)返品・返金対応の期限はあるか?→(バ)保証期間内、且つバッファロー社が認めた場合に応じる。状況が変われば応じない場合がある。

「WPA3」に問題がありそう

 どうやらバッファローのサポートはInternet接続の安定性を気にしているようです。その点で私ができそうなことはLANケーブルの交換です。ONUとWi-Fiルーターを接続しているLANケーブルはフラットタイプを使っていました。フラットタイプは比較的にノイズに弱いので、付属品のLANケーブルを使って配線しなおしました。1日ぐらい問題なかったのですが、また再起動が発生しました。

 しかし、その時に次の事に気づきました。1台のPCだけ認証方式がWPA3で設定しているのですが、そのPCをスリープから復帰させるとWi-Fiルーターが再起動することがあると。それ以外のタイミングでは問題は起きていません。そこでPC側の設定で認証方式をWPA3からWPA2に設定変更しました。その後、一週間ほどは再起動が起きませんでした。設定を戻すとWi-Fiルーターが再起動しました。

 どうやらWPA3関連に不具合があるようです。Windows10のPCをスリープから復帰させるとWi-Fiが再接続しに行くのですが、Wi-Fiルーター側に例外的なエラーが発生して再起動が発生してしまうのだろうと予想しています。たとえPC側の問題だったとしても、Wi-Fiルーターが再起動してしまうのは製品の不具合です。もう少し様子を見てバッファローへ報告しようと思います。

 2022/11/04にメールで報告しました。返答待ちです。

 翌日にサポートから返答があり、そのような症状は聞いたことがないから本体を初期化して再設定を試して欲しいとありました。再設定する際は、バックアップした設定ファイルを使わず手動で設定せよとのこと。この解決方法は思いついていましたが、結構な手間がかかる作業なので後回しにしていました。それに初期化してしまえば二度と同じ状態にならず、不具合が再現しないかもしれません。メーカーが調査するためには初期化しないほうが良いだろうと考えていました。しかし、原因調査は後回しにすることに決めました。

 2022/11/07にWi-Fiルーターを初期化して手動で再設定しました。スケジュール機能以外は設定を再現し、WPA3で接続して2日ほど様子をみていました。しかし、スリープ解除時に問題が再発しました。Windowsを再起動しログインした際にも問題が再発しました。WPA3の接続・再接続が問題の引き金になっているようです。ただし、必ず問題が再発するわけではありません。

 2022/11/10にサポートへ問題の再発を報告しました。返答があり購入情報や本体のシリアル番号を聞かれたのでメールで返信しました。その後、問題切り分けの為の製品交換が提案されましたのでお願いしました。問題の製品を取り外し、以前まで使っていたWi-Fiルーターを設置しました。2022/11/15にバッファローへ問題の製品を送りました。

2022/11/18に新品の製品が届きました。2022/11/22に設定・設置しました。その後、3日ほどは問題が起きませんでした。

 2022/11/25に「省電力」機能をオンにしました。その後、WPA3で接続しているノートPCをスリープ&スリープ解除したら、Wi-Fiルーターが勝手に再起動しました。関係があるか不明ですが、取り敢えず、「省電力」機能の設定を全部取り消して様子を見ていましたが、当該問題が再発し続けました。

 2022/11/27に問題再発を報告した。ネットワークの接続概略図と設定画面のスクリーンショットを求められたので、2022/11/28に提出した。

 2022/12/06に対応策検討中で暫く待ってほしいとの連絡があった。現在、問題を起こすPCについて、WPA3からWPA2へ認証方式を変更して問題を回避ししています。それ以後は問題が発生していません。iPhoneでWPA3接続する場合は問題は起きていません。

 2022/12/15にバッファローから数例ではあるが特定端末でWPA3接続すると再起動が起きることがあると連絡があった。調査を継続してほしい場合は、問題を起こすPCを貸して欲しいとあった。実は同じ型のPCを2台保有しており、両方とも問題を起こすことを確かめた。だから、バッファローへこの型のPCを一般市場から入手して調査してほしいと返答した。私のPCにこだわるなら代替PC購入費用とデーター移行費用を負担してくれれば譲渡を検討するとも返答した。

 2022/12/16にバッファローからこれ以上の調査は難しいので無線LAN親機の返品・返金に応じたいと返答があった。私はファームウェアの改修で修正される可能性もあるので、暫く使い続けたい意思を伝え、返品・返金対応を受け付ける期限があるなら教えてほしいと連絡をした。

 本当に特定端末というマイノリティーならば良いのかもしれないが、後々、表面化してくることもあり得るので、今のうちにしっかりと調査したほうが良いのではないかと思った。バッファローがそのチャンスを捨てているように感じられ残念に思った。特定端末から想定外のデーターが送られてきても再起動しないようにする方法はあるはずなので、私がPCを貸さないから調査ができないというのはおかしい気がした。

 LinuxというOSをUSBメモリーに入れて起動し、WPA3で100回以上接続&切断を繰り返してテストした。結果、無線LANルーターは再起動しなかった。そのことから、Windows版の無線LAN子機用のドライバーに問題があるかもしれないと予想できた。1つ前バージョンのドライバーを試したが、問題は解消できなかった。無線LANルーターのファームウェアか、無線子機のドライバーか、どちらかを改善する必要があると思われるが、双方ともに相手側に問題があると言いそうで、その調整を私は出来そうにない。

 この無線LAN親機に他の不具合を見つけている。ある設定を行った後に、管理画面が開かなくなる。親機の電源再投入で直る。表面化してない問題がまだあるかもしれないと思うと使い続けるのに不安を感じる。

 バッファロー製の上位機種、NEC製の売れ筋の機種はともに1万4千円ぐらいする。価格がWSR-1800AX4Bの2倍ぐらいするので、返品して買い直すかどうかを悩んでいます。

 Winodws10を完全に消して再インストールしてから、WPA3接続を行ったところ無線LANルーターを勝手に再起動させました。Windows10が原因ではなさそうです。個人でできることは全部やった気がします。

WPA2じゃダメなの?

 WPA2接続では無線LAN親機の勝手な再起動を起こしていません。WPA3と比べるとセキュリティが劣りますが、適切な設定を行えば今のところ十分なセキュリティ強度があると考えられています。

 第三者によってWPA2認証方式が破られると、無線LAN親機に接続されて、通信の傍受、改ざん、なりすましがされる恐れがあり、迷惑又は違法な通信を行い、その被害又は責任をプロバイダーの契約者が負わされる懸念があります。

 無線LANは目に見えないので、脅威は事前に取り除いておく必要があります。やはり、WPA3接続が満足にできないのは好ましくない状況です。

開発チームに伝えたい

 WSR-1800AX4Bはマイナーチェンジを重ねた3代目の製品なので、安定しているだろうと思っていました。ユーザーの不具合報告は製品開発者に届いているのか不安です。ユーザーがトラブルシューティングでタダ働きしているのですから、それを無駄にしないで欲しいと思いました。

 ユーザーサポートの対応は、例えるなら火消しであって、火元の消火がおろそかになっているようです。原因を根本的に直せるのはハードウェア、ソフトウェア開発チームではないでしょうか。

 バッファローは先進的な技術への取り組みが早いですが、不具合が多く、発売後数年かけて修正していく感じの会社です。ファームウェアの修正は10年以上継続的に行ってくれる製品もあります。

余談

 余談ですが、「LAN側IPアドレス」を192.168.11.1へ変更できない問題も発生しました。「割り当てIPアドレス」だけを変更しようとしても同様のメッセージがでました。

入力項目に間違いがあります。
場所: LAN側IPアドレス
内容: Internet側ネットワーク内のIPアドレスは使用できません
引用:エラーメッセージより


「割り当てIPアドレス」だけを変更しようとした際の画面

 サポートから教えてもらった解決方法はInternetポートからLANケーブルを抜いた状態で設定することでした。試したところ設定できました。エラーメッセージから解決方法が思い浮かびませんでした。せめて、メッセージ内容を分かりやすくして欲しいです。

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