ゼンリン住宅地図のミスで、お隣へ荷物が届き続ける
※ヤマト運輸が誤配するという意味ではございません。 |
お隣へ誤配、誤配、誤配
我が家の荷物が隣に届くようになったのは、5年ぐらい前からだろうか。どうして、そうなったのかハッキリと分からないままだった。家族の話によると、地図上で我が家の住所が隣の家に表示されているからとのことだった。我が家のほうが先に建っていて、隣はもともと畑だった。厄介なことに、苗字も同じなので、名前で間違いに気づいてもらえない。
配達員から電話がかかってくるが、配達員は家の前におらず、門を開けて外へ出ると隣の家に立っていたり、不在通知を間違った家に投函して帰ろうとしている場合が多くなってきた。1日に何件も連続で間違えられると、イライラする。過去には置き配指定していないのに、隣に置き配したらしく紛失してしまった事もある。仕方がないので、専らコンビニで荷物を受け取るようにしているが、コンビニで受け取れない荷物もある。
家の門の色は特徴があるので、Amazonで注文するときに目印として書いておいた。しかし、配達員はそれを見落としたのか、隣の家に不在者投票を入れ帰ろうとしていた。お隣さんは寡黙な方で、自分が頼んでない荷物だとわかるのか居留守を使ってやり過ごす事が多い。今回は配達員を捕まえて、何故間違えるのか質問したところ、スマホの地図を見せてうちの住所が隣の家に表示されていることを見せた。この地図はAmazonから提供されているとの事だった。真偽のほどは定かではない。そのスマホは蜘蛛の巣状にバリバリに割れ、これ以上深入りしてはいけないオーラを発していた。その配達員に「家は隣なんですよ、よく間違えられるんです」と説明して、荷物を受け取った。荷物に張られたシールの「BC」にレ点が打たれていた。これはAmazon Flex(Amazonから直接業務委託を受ける)の配達員が使う記号らしい。BCはBisiness Closedの意味で、不在の意味らしい。言いたいことは、この配達員はヤマト運輸の社員ではなく、Amazon Flexの委託配達員と推測できること。制服も着てないので間違いないだろう。
直ぐに、Amazonサポートへチャットで連絡して、荷物が誤配し続けられることを伝えた。私は地図が間違っているから何とかしてほしいという事を遠回しに伝えていたが、取り合ってもらえない。この問題を根本的に解決する方法がない様で、お隣と我が家の違いを記録して、配達員に判断してもらうしかないようでした。「N」が満足に入力できないキーボードをたたきながら、イライラが加速しているのを感じていた。チャット終了後、徒労感に浸っていた。
その翌日の夜も、日本郵政から委託を受けた配達員が隣へ配達しようとしていた。その方によると、郵便局員は自前の地図を構築しているから間違えないが、ゼンリンの住宅地図を使っていて、その地図が間違っているので誤配してしまうと教えてもらった。夜になり周りが見通せないので、間違いに気づくことは不可能に近いと言っていた。実は隣だけでなく、周りは同じ苗字だらけ。私もうんざりだが、配達員もうんざりだろう。
振り返るとヤマト運輸や佐川運輸の社員は間違えることなく家に配達してくれる。郵便局の職員が隣に配達しようとしていたことは1回あったが、ほとんどの場合、委託業者が配達先を間違えている。委託配達員はコロコロ変わるから、過去の誤配を記録することなく、共有もされないので新鮮な顔してお隣に配達しようとしてしまう。歩合制で次々と配達する必要があるからか、丁寧に確認する余裕が感じられない。どこで何したのか思い出せないほど数をこなしているようです。近年、委託業者が配達する比率が高まったことで誤配が増大したと分析している。
いよいよ、誤配の元である住宅地図の間違指摘を、住宅地図最大手のゼンリンへすることにしたのである。
ゼンリンへ問合せ
2020年9月2日に、ゼンリンのWebフォームからゼンリン住宅地図の間違いを指摘しました。しかし、確認メールが届かないので、同じことを繰り返しましたがメールは届きませんでした。入力した内容がゼンリンに伝わっているか心配になりました。
翌日、ゼンリンへ電話して私が指摘した内容が届いているか尋ねたところ、届いていると教えていただきました。そして、担当地域の営業所へ申し送りしていただける事になりました。間もなく地域の営業所から電話があり、ゼンリンが持っている地図台帳と地図表示用データと比較して間違っていることを認めて頂きました。残念ながら8月にゼンリン住宅地図を出版したばかりで、印刷物への反映は来年になるとの事でした。地図表示用データは随時反映されるそうです。
2020年9月2日に電話してから、2か月経ちました。ゼンリンが提供しているいつもNAVIで自宅の住所を入力して調べたところ、隣の家が表示されました。修正されてないのでもう一度ゼンリンへ問合せをしようと考えています。続報があればご報告します。
2020年11月2日にも日本郵便の委託業者が隣の家に不在票を入れて荷物を持ち帰りました。
2020年11月4日にゼンリンに問合せしたところ、地図の修正に6か月程度かかる見込みと言われました。もう少し、様子を見ようと思います。
2021年3月17日にゼンリン住宅地図(いつもNAVI)で自宅住所を検索したところ、未だに隣の家を示しました。そこで、ゼンリンのウェブフォームから連絡しました。
2021年3月22日にゼンリンより電話があり、近日中に修正予定と伝えられました。
2021年3月24日に本件問題の修正を確認しました。2021年8月に出版される住宅地図に、修正が間に合いました。
住宅地図依存から脱却せよ
日本郵政は内製の住宅地図を構築しているそうです。しかし、それを配達委託業者に渡していないそうです。その理由は、個人情報保護と知的財産保護の為だと思います。やむを得ず配達委託業者は市販の住宅地図を購入することになります。その住宅地図が間違っていると、誤配が繰り返されることになります。私は誤配の度に間違いを指摘していますが、配達委託業者は多忙であり、他人の個人情報を地図の発行元に連絡することはないと予想します。配達委託業者間で情報共有していないので、誤配が収まりません。人任せでは誤った住宅地図が修正される見込みがないことが分かりました。私はその地図のユーザーではないので、どの立場で住宅地図の会社へ連絡したらいいか悩ましく思いました。
住所で配達場所を大まかに絞り込めますが、一意に特定することは出来ません。特定するには住所と場所を結びつける情報が必要です。その一つが住宅地図ですが、正しくないと意味がありません。配達場所のように正確性が求められるものについては、地図上から場所を選択し、緯度経度を指定したほうが良いと思います。
10年後には人間が荷物を配達する割合が減り、25%ぐらいはロボット(機械とプログラムの組み合わせ)が配達していると予想します。ロボットに配達場所を伝える場合、緯度経度と高度が最適です。そこに向かうためのルート情報があれば荷物を届けられます。配達場所に非接触ICなど置いておいて、配達場所に到着したことを確かめます。業務効率を上げるためには、ロボットに仕事させることを前提に仕組みを作ることです。それは人間が配達するときにも役立ちます。今すぐすべきことは、誤配判定を他人に任せるのではなく、配達時に誤配していないことを確実に判定する仕組みづくりです。
国は国勢調査しているので、日本一正確な住宅地図を作成できるはずです。しかし、それを作成し公開すると民業圧迫や、プライバシーの侵害になるので行いません。それに、人は誰かに管理されていることを望みません。
単に荷物を配達してもらうだけなら、緯度経度と関連付けるワンタイム住所を発行して、使い終わったらワンタイム住所を無効化するような仕組みが良いでしょう。
住宅地図の修正は時間かかりますし、修正内容が浸透するのにも時間がかかる。即時に修正できないような情報を、配達場所の指定に使うのはそろそろ止めるべきでしょう。