カモミール中にあるアピゲニンは、ベンゾジアゼピン受容体に作用する


医師が教えるカモミールティー7つの効能。腰痛、目の下のクマにも

 次の記事を見つけました。

カモミールティーのすごい点は、なんといっても眠気を誘う力があること。植物のフラボノイドは脳内のベンゾジアゼピン受容体と結合し、穏やかな精神安定剤のように働くのです。

※上記記事より引用

 カモミールティーが眠気を誘うのは聞いたことありましたが、それがベンゾジアゼピン受容体(正確にはGABA-A受容体にあるベンゾジアゼピン結合部位)に結合するプラボノイドだったとは知りませんでした。

アピゲニン

 調べてみるとそのプラボノイドは「アピゲニン」でした。アピゲニンは抗不安作用とわずかな鎮静作用を発揮しますが、抗けいれん作用と筋弛緩作用は示さないベンゾジアゼピン受容体作動薬です。フルニトラゼパムと競合して阻害するとの情報があります。

 GABA-A受容体作動薬(バルビツール酸系、ベンゾジアゼピン系、チエノジアゼピン系、Z薬)とカモミールティーを併用すると薬の作用が増強または弱められる可能性があると想像できます。

アピゲニンを含む植物、食品

  • パセリ
  • セロリ
  • アーティチョーク
  • カモミール
  • タラゴン
  • バジル
  • コリアンダー
  • オレガノ
  • タイム
  • 赤ワイン
  • リンゴ
  • チェリー
  • ブドウ

カモミールの精油成分

  • テルペン(疎水性の芳香成分)
  • ビサボロール(抗刺激性、抗炎症性、抗菌性を持つ芳香成分)
  • ファルネセン(芳香成分)
  • カマズレン(抗炎症作用を持つ芳香成分)
  • アピゲニン(抗不安作用とわずかな鎮静作用)
  • ケルセチン(抗酸化作用、抗炎症作用、抗動脈硬化作用、脳血管疾患の予防、抗腫瘍効果、降圧作用、強い血管弛緩作用が報告されている)
  • パツレチン(不明)
  • ルテオリン(抗酸化物質活性、炭化水素代謝の促進、免疫系の調整、2型糖尿病の治療等の作用を持つ可能性)
  • クマリン(抗酸化作用や抗菌作用、抗血液凝集作用)

 カモミールティー中の成分を調べましたが見当たりませんでしたので、精油中の成分を調べました。同じではありませんが参考になります。

 精油(エッセンシャルオイル)とは100%植物由来の揮発油です。アロマオイルと呼ぶ場合は100%植物由来とは限りません。

 精油は薬ではありませんので、経口摂取しないでください。

向精神薬と併用に注意

 明確なエビデンスを持っていませんが、ハーブティーと向精神薬の併用には注意が必要です。向精神薬の作用を強めたり、弱めたりする可能性があります。

ほどほどに楽しむ

 カモミールティーを毎日飲むのは止めたほうが良いかもしれません。毎日飲むと効果はゆっくり減っていくと考えられます。体には自己調節機能(恒常性、ホメオスタシス)があり、その調節に介入する物質を弱める反応が起きる場合があります。ベンゾジアゼピン受容体であれば受容体の鈍化や減少によって作用を弱めます。介入する物質を減らしても直ぐにベンゾジアゼピン受容体が回復しない場合があり、予め注意が必要です。

 カモミールティーを試すなら、少量から始めてください。

 カモミールはキク科の植物です。キク科の野菜にアレルギーがある方は使用を止めたほうが良いでしょう。

キク科の野菜

  • サニーレタス
  • レタス
  • 春菊
  • ゴボウ
  • アーティチョーク(朝鮮アザミ)
  • チコリ
  • フキ
  • その他

体の不調は大切なお知らせ

 例えば眠れないのは不都合かもしれませんが、必要な状態と考えられます。私は火災報知器によく例えます。火災報知器の警報を消しても火災は収まりません。根本に目を向けて具体的な対処を真剣に考えましょう。

 人は足し算の対処(何かを取り入れる)をしがちです。引き算の対処(何かを取り入れない)も検討しましょう。眠れないなら、カフェインを控えたり、就寝前に激しい運動をしないなどが考えられます。

参考資料

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