「向精神薬、とくにベンゾ系のための 減薬・断薬サポートノート 嶋田和子 著」を読んで

引用:http://yorozushobo.p2.weblife.me/shosekishokai13.html

向精神薬、とくにベンゾ系のための 減薬・断薬サポートノート 嶋田和子 著」を読ませていただきました。

 ベンゾとはベンゾジアゼピンのことです。

 この本を読ませていただいて、私が通り過ぎた道を客観的に振り返られました。アシュトンマニュアル(アシュトン博士がまとめた手引き)は正直に言うと難解で、薬害で苦しんでいる人に気軽にお勧めできるものではありません。それに比べて本書は平易な表現になっていて、しかもコンパクト(必要最低限)にまとめられています。ページ数は126ページです。前提知識がない方だと1~2時間、離脱症状で苦しんでいる方でも2~4週間もあれば読み切れると思います。

 本書に減薬スケジュールの例と実践方法が紹介されています。この通り実践すれば大丈夫と保障しているわけではないと思います。時間をかけてゆっくり減薬することが原則であることを前提に引用しながら例示しています。著者は医師免許を保有していないと思いますので、医療的な指示を与えるという意図はないはずです。ですから、参考にしながら慎重に取り組む必要があります。タイトルの「サポートノート」にそれが表れています。

 第五章の離脱症状緩和法は今の私でも興味深く読ませていただきました。一部に民間療法に類するものも挙げられています。自分に合うかどうか様子を見ながら行った方がよいと思います。通院を開始していない方が抑うつ状態や精神不安定を予防や緩和するのにも参考になるかもしれません。

 本書を読んで思い出したことがあります。2016年7月11日に厚生労働省へ手渡した提案書に減薬専用のベンゾ系を創薬する案を書きました。本書にもあるように、ベンゾを減薬するには漸減(徐々に減らす)ことが必要です。それが物理的に難しいことは実践した人なら分かるはずです。錠剤を分割するには限界があり、正確に計測するにはキッチンばかりでは精度が足りません。禁煙パッチのように離脱を穏やかにするシステム設計をしたベンゾ系があれば助かると思いました。この案には別の意図もあります。もしもそれが創薬され販売されたなら、医療行政と製薬会社がベンゾ系離脱症状とその困難さを認めたことになるからです。

 いろいろ思い出しちゃって熱くなりました。ふぅー。

 まぁ、経験者でないと減薬の大変さは分からないですからね。私の知り合いで分かろうとしてくれる人は2人ぐらい。ほとんどはそんな難しいことに関わりたくないという態度です。世の中ベンゾ問題だけでありませんから、1人で全部の問題に取り組めないのも事実です。ベンゾ問題に耳を傾けていただけない人は、今は別のことに取り組んでくれているとポジティブに考えるようにしています。実際に健康な大人はたいてい社会に出て忙しいく、仕事を継続するのに精一杯ですからね。どんな問題も巻き込まれたら損です。そうならない為の話なら価値があると思うんですけどね。

 そんなわけで、1人では弱いから力を結集しようと7月11日「世界ベンゾ注意喚起の日」が創られたわけです。2018年7月11日(水曜日)に厚生労働省(東京都霞が関)へ集まるイベントが開催されます。

  今のうちから準備をしましょう。

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